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【映画レビュー】グレイストーク -類人猿の王者- ターザンの伝説(1983年:イギリス)



エドガー・ライス・バローズの原作を忠実に再現したのがこの映画だそうです。
ターザンとえばご存知、あの雄叫びを挙げながら木の枝から枝干支飛び移り、悪を退治していく正義のヒーローのように描かれることが多いですが、こちらのターザンはそう言ったこととはほとんど無縁、人間として苦悩するターザンの姿が描かれています。

<<『グレイストーク -類人猿の王者- ターザンの伝説』のあらすじ>>

アフリカ沖で海難事故にあったスコットランドの貴族、グレイストーク伯爵(ラルフ・リチャードソン)の息子夫婦がジャングルに打ちあげられ、妻はそこで赤ん坊を産むが間もなく赤ん坊を残して夫婦共に命を落としてしまう。その赤ん坊は自分の赤子をなくしたばかりだった雌猿を育てられ、類人猿達の王者へと成長した。そんな折、彼が偶然助けた探倹隊の生き残りが彼がグレイストーク伯爵の孫であることに気付き、彼、ジョン・チャールズ・クレイトン(クリストファー・ランバート)を連れてスコットランドに向う。初めて文明社会に触れたジョンは、次第に文明社会に馴染んでいくのだが…。


引用元:Amazon|グレイストーク -類人猿の王者- ターザンの伝説


本作品におけるテーマ(苦悩するターザンや文明社会への皮肉)は、ありとあらゆるレビューで解説されていますが、それとは別に、私が特筆すべきはクリストファー・ランバートの破壊力満点の存在感です。
絞りに絞った肉体美と、獲物を狙うような野性味満点の鋭い目つき。
あれを見た日には、おそらく夢に出て来ることは間違いないでしょう。
私はターザンの映画といえば、他には『ターザン:REBORN』ぐらいしか見たことがありませんが、おそらく歴代ターザン役としては彼がナンバーワンなんじゃないかと思うほどです。
原作を忠実に再現した作品というだけあって、それ相応のキャスティングをしたのでしょうが、まさに大正解です。
それともうひとつは、『猿の惑星』顔負けの野生の猿のクオリティーの高さ。
あれを演じているのは人間らしいのですが、本当に本物の猿の動きなどを徹底的に研究しているのがよくわかります。
あれに対抗できるのは、FUJIWARA原西ぐらいではないでしょうか。
ターザンとしての存在感やジャングルの完成度、そして英国貴族のしきたりなど、これほどのクオリティの高い演出がなされている映画って、そうないのではないでしょうか。

ところで余談ではありますが、私はこの映画を、TBSのの『火曜ビッグシアター』と、淀川長治さんの『日曜洋画劇場』で見たことがありました。
そして今回のノーカット版を見た限りでは、劇場版に忠実に編集されていたのは、後者の『日曜洋画劇場』の方でした。
同じテレビの洋画劇場でも、なぜ『日曜洋画劇場』が長寿番組になったのか、何となくわかったような気がしました。



↓ターザンといえば、こちらの曲も思い出します。

曲名:ターザン・ボーイ/バルティモラ
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tag : 人間ドラマ ターザン 歴史

2018-09-29 19:41 : 映画レビュー : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

【映画レビュー】本能寺ホテル(2017年:東宝)




<<『本能寺ホテル』のあらすじ>>

倉本繭子(綾瀬はるか)は、会社の倒産を機に恋人の吉岡恭一(平山浩行)にプロポーズされ、恭一の両親の住む京都へ向かう。京都に着いた繭子は、路地裏にある“本能寺ホテル”に導かれ、気が付けば1582年の本能寺にいた。繭子は現代と1582年を行き来しながら、織田信長(堤真一)や森蘭丸(濱田岳)と交流を果たす。その日は信長が暗殺された本能寺の変の前日だった。


引用元:Yahoo!映画|本能寺ホテル


こういうタイムスリップ物の面白さと言えば、主人公である現代人の登場により歴史が狂いそうになり、その帳尻を合わせるために現代人である主人公が奮闘する、という筋書きです。
バック・トゥ・ザ・フューチャー』などはそういった類ですし、ドラえもんの映画でもそういった筋書きがあったような気がします。
本来であれば、綾瀬はるかの天然キャラを思う存分に生かせるなら、そういった筋書きでもよかったとは思うのですが、この作品では、あえてその鉄板手段を取りませんでした。
これはある種の"挑戦"ともいえるでしょう。
その一方で、先述した筋書きだと、力作が出来上がる反面、大失敗に終わる可能性大きい。
そういった意味では「やや無難にまとめた」作品でもあります。
そんな今回の作品の焦点は、ズバリ、人生に行き詰った主人公・倉本繭子の悩みでしょうか。
彼女が抱える将来の悩みからの解放と人間的な成長を促すきっかけを作ってくれた人物こそ、ほかならぬ織田信長だった。
その焦点がとてもユニークで、彼女の出現によって、信長自身も何かが変わろうとしている当たりも、これまたユニーク。
現代人と信長の、ちょっとした心の交流というもの、この映画の見どころの一つかもしれません。

ところで、私は映画を見ているとき、時折、妙に忘れられないセリフというのが登場します。
今回も登場しました。
主人公の綾瀬はるか演じる倉本繭子がタイムスリップしたときに
「大河ドラマで見たことがある」
というセリフをお侍さんに発します。
おそらくそのセリフを聞いた99パーセントの人が、
「おめえも出てただろ」
とツッコミを入れまくったことでしょう。
あのセリフ、綾瀬さんのアドリブだったのかな?
それとも監督さんの遊び心?
ちょっと気になるところではあります。

tag : 歴史 時代劇 綾瀬はるか 堤真一 織田信長

2018-09-23 19:39 : 映画レビュー : コメント : 2 : トラックバック : 0 :

【映画レビュー】ハムレット(2000年:アメリカ)




<<『ハムレット』のあらすじ>>

2000年のニューヨーク。マルチメデイア企業の社長が急死し、未亡人となった妻ガートルードは夫の弟で会社後継者でもあるクローディアス(カイル・マクラクラン)と再婚。留学先から帰国した映画監督のハムレット(イーサン・ホーク)は父の死に疑問を抱き、それに執着するあまり、やがて恋人のオフェーリア(ジュリア・スタイルズ)の忠告をよそに奇行を繰り返すようになっていき…。


引用元:Amazon|ハムレット



ご存知、シェークスピア原作の戯曲『ハムレット』を、舞台を現代のニューヨークに置き換えてリメークしたもの。
もうご存知かとは思いますが、原作ではデンマーク国王が毒殺されたという設定ですが、こちらの現代版は毒殺されたのはマルチメディアの大企業の社長さん。
その御曹司がハムレットということですが、その大企業の名前が「デンマーク・コーポレーション」というのだから面白い。
原作のハムレットに関しては、ある程度の筋書きは知っているつもりでしたが、こうやって実際に動いている「ハムレット」を見てみると、筋書きだけのハムレットとは違って、すごく深みがあります(当たり前ですが)。
ただ、最初は一級品のサスペンス映画を見ているようで、ぐいぐいと引き込まれていったのですが、途中から役者さんたちの文学的言い回しなセリフが変に耳についてしまいました。
現代人がこんな言い回ししないだろうとか、ちょっとチャラ男っぽい風貌のハムレットが何でこんなに巧は比喩表現ができるんだとか、ちょっとツッコミも入れたくなったり。
これがオリジナルに近い中世が舞台だとか、実際の舞台演劇だったらそうでもなかったのでしょうけれど。

ところでこの『ハムレット』は、シェークスピアの戯曲の中でも1位2位を争う長さだそうです。
実際、1996年にリメークされた『ハムレット』(こちらの舞台は19世紀のヨーロッパ)の上映時間は4時間を超えています。
一方、こちらの『ハムレット』は2時間あるかないなの上映時間。
実際の上演・上映時間を考えるとかなりコンパクトにまとまっていますが、まあ、『ハムレット』入門編としては、この作品がちょうどいいのかもしれません。

tag : 歴史 シェイクスピア 文芸作品

2018-09-17 19:56 : 映画レビュー : コメント : 2 : トラックバック : 0 :

【映画レビュー】アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男(2015年:ドイツ)

<<『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』のあらすじ>>

第2次世界大戦後、海外へと逃亡したナチスの戦犯アドルフ・アイヒマンの捕獲作戦を実現へと導いたドイツ人の検事長フリッツ・バウアーにスポットを当て、バウアーがいかにしてアイヒマンを発見し、追い詰めていったのかを描いた実録ドラマ。1950年代後半のドイツ・フランクフルト。ナチスによる戦争犯罪の告発に執念を燃やす検事長フリッツ・バウアーのもとに、数百万人のユダヤ人を強制収容所送りにしたアドルフ・アイヒマンの潜伏先に関する情報が寄せられる。ナチス残党が巣食うドイツの捜査機関を避け、イスラエルの諜報機関モサドと接触したバウアーは、アイヒマンを追い詰めていくが、同じ頃、バウアーの失脚を狙う者たちが策略をめぐらせていた。
映画.com|アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男



タイトルが若干不可解です。
『ナチスがもっとも畏れた男』とありますが、一体何をそんなに恐れていたのかさっぱりわかりません。
あえて解釈するなら、本作の舞台である戦後のドイツ政界には、未だにナチスの残党が残っていて、アイヒマンがドイツの裁判で裁かれれば彼らの運命だった危うくなる、ということでしょうか。
言うなれば、政界に潜んでいるナチスの残党がもっとも畏れている男、とも解釈できます。
さて、物語はそんなアイヒマン逮捕に執念を燃やす一人の検察官が主人公。
しかし先程の理由から、アイヒマン逮捕に対する妨害、アイヒマンをドイツの裁判にかけることへの妨害が次々と生じてきます。
その妨害がなかなかえげつなくて、元残党の政治家たちは、主人公の検察官やその部下の性癖を暴露してまで、彼らを失脚させようとしたります。
個人の性癖なんてほっといたれや、といいたくもなりますが、当時のドイツは西側でありながらも、こういう性癖って違法だったんですね(詳しいことは映画をご覧あれ)。
なんだかちょっと可哀そうな気がします。
そんな妨害にめげずに、戦犯であるアイヒマンを追い詰めていく主人公のバウアー検事長。
そのしつこいまでの執念が、映像の中からありありと伝わってきます。
ただ、欲を言えば、せっかくタイトルに「アイヒマン」を冠しているのですから、追い詰められていくアイヒマンの心理描写も、リアルに描いてくれていれば、かなりの作品になっていたでしょう。
ちょっともったいない気がしました。

ところで話は変わりますが、こういう映画が出て来ると、どうしても議論の的になってしまうのが、
「ドイツは反省しているのに日本は…」
という議論です。
映画に関しては、こういう色眼鏡を使って政治利用したくないので、話題としては避けたいところですが、戦後から現代に至るまでのドイツの歩みに関しては、上念司さんと川口マーン恵美さんが、YouTubeでの対談でなかなか興味深いことをおっしゃっていました。
「俺たち、ちゃんと反省したから軍隊をもってもいいよね」
ってところでしょうか。
興味のあるかたは是非探してご覧になってください。

↓その昔、放映禁止になったCMです。さすがにこれはアウトでしょう。

tag : 社会派映画 歴史

2018-07-26 20:09 : 映画レビュー : コメント : 4 :

【映画レビュー】テルマエ・ロマエ(2012年:東宝)

テルマエ・ロマエ 通常盤 [DVD]
東宝 (2012-11-23)
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ヤマザキマリさん原作の人気コミックの実写映画化。
この作品には、原作には登場しないキャラクターも登場するようなのですが、一応、原作のエピソードは下地になっているそうです。

<<『テルマエ・ロマエ』のあらすじ>>

古代ローマ帝国の浴場設計技師ルシウス(阿部寛)は、生真面目すぎる性格が時代の変化に合わず、職を失ってしまう。落ち込む彼は友人に誘われて訪れた公衆浴場で、突然現代日本の銭湯にタイムスリップしてしまう。そこで出会ったのは、漫画家志望の真実(上戸彩)ら、「平たい顔族(=日本人)」。日本の風呂文化に衝撃を受けたルシウスは、古代ローマにもどって、そのアイデアを使い大きな話題を呼ぶ。タイムスリップを繰り返すルシウスは、浴場技師としての名声をローマで得ていく。その評判を聞きつけた時の皇帝ハドリアヌス(市村正親)は、自分の後継者にと考えているケイオニウス(北村一輝)のためにルシウスに大浴場を作るよう命じる。次第にルシウス、そして真実までもがローマ帝国の運命に深く関わっていくことに…。


引用元:フジテレビ|テルマエ・ロマエ


例の「東宝」のロゴマークのあと、日本映画っぽくないオープニングで幕を開けるこの映画は、かなりのツッコミ甲斐がある映画です。
まず、何でローマ人の役が日本人だよというツッコミ。
そのローマ人扮する、阿部寛が日本人を見て「平たい顔族」って、お前もだよっ、と言いたくなるツッコミ。
もっとも、阿部寛は日本人にしては堀が深い方ですが。
さらに、阿部寛扮するルシウスの異常なまでの学習能力の高さ。
シャワーやジャグジー、銭湯名物の牛乳瓶入りの飲料水など、、10分そこそこ偵察しただけですぐそれをローマで再現してしまうんですから。
もちろん、これらはすべて映画だからこそなせる業であって、実際はそう上手いこといくはずがありません。
そんなツッコミどころも満載ですが、あの阿部寛の独特のキャラクターには思わず笑ってしまい、思わず許してしまいます。
やはり映画というのは、どんな手法を使っても構わないけど、最後の最後には見ている側を納得させたもん勝ちなんだなと、強く感じてしまいました。
さて、先述した通り、この映画では主要なローマ人の役を日本人が演じております。
それも、阿部寛をはじめ、市村正親、宍戸開、北村一輝など、一癖も二癖もありそうな個性豊かな俳優さんたちです。
そんな彼らがローマ人になりきっているからでしょうか、皆さんのセリフ口調が洋画の吹き替えっぽい気がしたのは私だけでかもしれません。
そういう一癖も二癖もあるキャラクターの中に、ポツンと浮いちゃった感のあるのが上戸彩。
日本舞台の時はそうでもなかったのですが、ローマにタイムスリップして阿部寛と対峙している時には、上戸彩のキャラクターが彼のキャラクターに負けているような気がしました。
この映画最大のツッコミキャラである阿部寛に、上戸彩が喰われてしまうなんて、何だか皮肉ですね。
個人的に彼女のファンなので、ちょっと残念です。
その上戸彩扮する漫画家志望の山崎真実は、原作にはないキャラクターだそうです。
ただし、その名前から察するに、これは原作者自身、という設定でしょう。
ちなみにヤマザキさん自身の実家は、温泉宿ではないようですが。


ところで、この作品がローマが舞台ということもあって、オペラのアリアもBGMとしてよく使われていました。
そんな中、やっぱりこのアリアが、とても印象的に使われていました。

tag : 歴史 阿部寛 上戸彩 コメディ映画 イタリア

2018-07-15 20:04 : 映画レビュー : コメント : 0 :
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プロフィール

かんた

Author:かんた
軽度の発達障害。
それに伴い中度の社会不安障害を誘発した模様。

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